マクロスΔとマクロスF、両作品を考察する

ハヤテ、フレイヤ、そしてミラージュ

マクロスといえば三角関係

超時空要塞マクロスから早30数年、時系列的な繋がりはあるものの独立した作品としてこれまで発表されてきたシリーズ。メカと歌、どちらも魅力的な要素ですが、それと同等に見ておきたい結末といえば『主人公を含めた三角関係』という点だ。マクロスΔについてはハヤテとフレイヤ、そしてミラージュの三人がキービジュアルでもそうなることが伺えます。序盤部分では大きく恋愛面で動くことはなく、後半戦に突入してやっと波乱に満ちた幕開けを予感させている。

誰を選ぶのか、といった点も気にしている人はいますが、これに関しては賛否両論の意見が巻き起こる。過去に制作されたマクロスシリーズは、従来通りに三角関係も1つのテーマになっていました。一人の男と二人の女性、時に一人の女性を二人の男が争うといった逆転パターンもあります。また基本的には恋愛をするヒロインは歌手として重要な役どころが与えられています。例外的にOVA作品『マクロスプラス』ではバーチャルアイドルのマネージャーとの恋模様が描かれている。

本来なら物語の展開上、三角関係に終止符が打たれる場面を放送するのは当然ですが、それをして批難が飛んできたといった事例があった。それは初代マクロス作品のこと、この作品の結末で待っていた内容に当時のファンは納得できなかったという。

初代マクロスにおいて

初代の『超時空要塞マクロス』では主人公の一条輝、リン・ミンメイ、早瀬未沙との三角関係がテーマとなっている。最初こそヒロイン然としているミンメイと結ばれると思われていたが、最終的に主人公と結ばれたのは後述の未沙とだった。制作段階から輝と未沙が結ばれることが決定しており、ミンメイの噛ませ犬的な展開には当時のファンからかなり誹謗中傷が飛んだとも言われている。以後、テーマとしているものの、三角関係が落着しないといった明確な終わりを表現しなくなってしまった。

それが正しいかどうかかなり微妙なところ、個人的な意見で言わせてもらえば決めてしまえば良いのではと思うのですが、そうもうまくいかないのがファン心理の難しさか。特に女性ヒロイン2名になるとどちらも高く人気があって、どっちにすべきかといった命題が議論を巻き起こすほど。そういう点でマクロスΔがどう関係が急変していくのかも気にしておきたい点だ。

全く動きを見せなかった

三角関係の動向は当初から筆者も気にしていたが、ハヤテとフレイヤは明確にそういう描写こそあるものの、ミラージュとの間にはその気があまり感じられなかったことに不審を抱いたこともある。一時期はまさかのフレイヤだけのヒロイン路線、などとも疑ったりしましたが、徐々にミラージュにも心境の変化が見られて安心したという妙な心理に苛まれた。

ただそれも、ミラージュ自身が今まで軍人としてそういったことに疎く、また自分の感情が未だに何なのか気づいていない点すら見られることも関係しているでしょう。おそらく前半部分までは戦友、同じ部隊の仲間同士といった点が強調されすぎていたせいもあるかもしれない。しかしハヤテがフレイヤの誕生日に見せる様子に人知れず涙を流すミラージュの姿、あれには心動かされた部分もあった。今まで動きを見せなかった分だけ、後半でミラージュがどう自分の気持ちに気づくのかも気になるところ。

怪しげな雲行きに

マクロスの三角関係といえば、そこまでドロドロな愛情問題になるわけではない。一部例外はあるでしょうが、前作のマクロスFでも10代の甘酸っぱさと苦味がほとばしる、そんな恋愛模様が描かれている。だからこそ今作においてもそうあって欲しいところですが、メインヒロインでもあるフレイヤに気になる話題がある。ハヤテの父がウィンダミアを攻撃したというのもそうですが、それ以上に彼女たちウィンダミア人の短命種族であるという点だ。

劇中ではウィンダミア人は30年が平均寿命であり、地球人の半分にも満たないところ。これはハヤテとの関係で、フレイヤが度々年月を意識する点であり、彼女が既に種族的に人生の折り返し地点に位置しているという点でも、ハヤテの何気ない発言に心痛めていた。このような点から、ハヤテとフレイヤが拗れる可能性も否定できず、そこにミラージュというもう一人のメインヒロインがどう繋がるかだ。

こうしてじっくり考察すると、もしかしたらシリーズの中で一番重すぎる三角関係ではないのかと思わなくもない。